コミックコーナーのモニュメント

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ダンジョン飯3巻 感想【ネタバレを含みます】

 

 いろいろな魔物を食べながらのダンジョン攻略ファンタジー、『ダンジョン飯3巻の感想です。

物語が進み、世界観や背景の情報も増えてきました。

 

大物クラーケン戦 水上歩行の描写がすごい

 地下4階になってから使用されている水上歩行の魔法がありますが、描写が細かくかつユーモラス。

魔法の設定がはっきりわかるような説明はないですが、単に水の上を歩ける魔法というわけでもなさそうです。

 足元から飛び出してきた魚人に跳ね飛ばされたセンシが、ボヨンボヨンと水面をはねていきます。単なる床というよりは硬めのトランポリンといった感じです。

クラーケンの上げた大量の水しぶきは、独特の効果音を立てながら、チルチャックの体の表面を滑っていきます。

この魔法はクラーケンを仕留めるのにも使われるわけですが、水面からわずかに体の上側を出しながら泳いでいたクラーケンが、魔法がかかった瞬間、進行方向斜め上に跳ね上がります。

水の中に沈まない魔法というよりは、「体に触れた水の表面張力に干渉している」といった感じなのでしょうか。この状態で大量の水を飲んだらどうなるのかが、少し気になります。

 そして、まさかのクラーケンがまずいという結果。そしてまさかまさかのクラーケンの中にいた大きい寄生虫の実食。さばいている様子は鰻か何かの様です。

 いつも以上に拒絶するマルシルの反応は至極当然だと思いますが、センシがたれをつけて焼き始めたら、よだれを垂らしながら怒っていたのが面白かったです。

 そして、生食をしたせいで、大きい寄生虫の中にいた普通の寄生虫に当たってしまうライオス。

こっそり食べたライオスの自業自得なので、マルシルとチルチャックは流し、センシはやたら壮大な感想を口にしましたが、昔、腸炎を患った時のことを思い出し、ライオスに少し同情してしまいました。

 

世界観いろいろ事情もいろいろ:魔法使いについて

 世界観についてこの巻ではいろいろと語られました。

 現在マルシルはファリンを助けるために、ダンジョンに潜っているわけですが、そもそもなぜ冒険者になったかが、魔法学校時代の回想から窺えます。

この世界、他にもダンジョンがあるのですね。現在ライオス一行が潜っているダンジョンはその中でも特別なダンジョンの様ですが。

 回想シーンでは、ファリンと出会った経緯も語られますが、まさに好対照。お嬢様育ちの秀才と、野生の天才といった趣。子供時代のファリンのライオス尊敬のポイントが「犬のモノマネがすごいうまい」だったのもくすりときました。

 回想が始まった直後のシーンでマルシアが編んでいたのが、愛杖の「アンブロシア」でしょうか、ウンディーネ戦を見る限り、杖がないと魔法は使えてもコントロールが悪くなるみたいです。

 

世界観いろいろ事情もいろいろ:蘇生魔法とナマリ

 物語開始直後にライオス一行から離脱したドワーフのナマリが再登場。ファリンを見捨てたと敵視するマルシルですが、ナマリの方は特に後ろめたいことはないと堂々としています。それでも、ライオスたちにはいろいろ思うところがある様子。

 と思ったらあっさり死にました。頭を打ちぬかれて即死です。

 ここで蘇生術の話になるのですが、どうやら迷宮限定の魔法のようです。蘇生術の前提になるのは迷宮自体にかけられている「人の魂を肉体に束縛する」術。肉体が致命傷を負っても魂は肉体に残るので、損傷さえ治せばいいとのこと。だとすれば単に高度な治療魔術で肉体を復元できればそれが蘇生術という扱いになるということでしょうか。

 ノームのタンスさんの語る、死んだ者が生き返っているのではなく、迷宮では死自体が禁じられているという仮説はおどろおどろしく、1巻冒頭のダンジョン発見時の「その国は地下深く、今なお囚われ続けている」という説明とも符合します。

 呪術が原因で国民総地縛霊状態なのでしょうか。

 冒頭で出てきた王様も塵となって消えたとありますが、ダンジョンを出たから解放されたと考えることも出来そうです。

 負傷しているマルシルの治療を代価に、タンスさんの調査に同行するライオスとセンシ。マルシルと違って、ライオスはナマリを特に恨んでいないようです。お互いを信頼し合っている感じがいいです。

単なる正義感や情ではなく、かといって純粋な損得勘定でもなく、物事の道理や筋道を基準に行動するナマリみたいなタイプのキャラクターは好きです。行動自体はぶれないものの、ライオスたちの食生活を見て、罪悪感を抱いてしまう人間臭いところも込みで好感が持てます。

いつもは突っ込み役のマルシルが積極的にダンジョン飯を作り、その食事風景を見たナマリが元仲間のあまりの現状に罪悪感を覚えるという構図も面白かったです。

今後のストーリーをすっきりと楽しむためにも、このタイミングでマルシルとナマリが和解できたのもまた良かったです。

この作品のストーリーの背景には、おどろおどろしいものがまだありそうですが、少なくともライオス一行にはギスギスしたのは似合いません。

 

 

結局ナマリたちとは別れて、ライオス一行は進むわけですが、まさかのカエルスーツを着たまま次巻に続くとなりました。