コミックコーナーのモニュメント

コミックコーナーのモニュメントは、漫画を読むことが好きな石文が、読んだ漫画の感想を書いたり、紹介をしたりするブログです。

陰影のある切なさ

 

タイトル:兎が二匹

  年代:2015年以降

  巻数:全2巻

 

作品概要

400年の人生を歩んできた不老不死の女性すず。外見年齢20代、職業は骨董の修復、日課は自殺。そんなすずに思いを寄せる青年、咲朗。年齢19歳、職業は喫茶店店員、日課は自殺ほう助。そんな2人の日常の一幕から、物語は始まります。

これまで歩んできたつらい人生を忘れることができず、自身の死を望み続けるすず。そんなすずと共に生きることを望みながらも、死ぬのを手伝わないなら別れると言われ、毎日号泣しながらすずを殺す咲朗。咲朗は持ち前のポジティブ思考で毎日めげずにすずに自分と生きるように説得を続けますが、死ぬことをあきらめないすずは、ある日とんでもない方法を思いついてしまいます。

 

影と重みのある純愛

長い時間を生きるすずと、そんなすずに寄り添う咲朗。互いに孤独を抱え、相手のことを想い合いながらもすれ違ってしまう2人の喪失と追憶と純愛の物語です。

不老不死を題材にした作品としての、死ねない辛さや、時間の牢獄といったオーソドックスな要素を押さえた上で、それだけで終わらずに、1つの物語としてより踏み込んだ仕上がりになっています。

構成としては物語の最初の部分である程度行きつくところまで話が進み、そこまでの経緯や背景が語られた後にクライマックスへとつながる形になっています。

 全体を通して、黒と白のコントラストが独特の雰囲気と凄みを出しています。光と影、幸福と不幸、生と死、コーヒーとミルクのようなコントラストの表現にこだわりを感じる作品です。

 

こんな人にオススメです。

l  不死者や不老不死を題材にした物語が好きな人。

l  切ない物語が読みたい人。余韻のある物語が好きな人。

 

こんな人にはオススメできません。

l  本題の話とは関係ない部分の粗や、細かい齟齬でも一度気になると白けてしまう人。

l  重い話は苦手な人。