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ニッチなテーマと奇天烈な発想のびっくり箱 : ニッケルオデオン レビュー

 

タイトル:ニッケルオデオン

 著者名:道満晴明

  年代:2010年~2014年

  巻数:全3冊

 

あらすじ・概要

 1話につき8ページで話が完結。様々なテーマが扱われ、シリアスだったり、コミカルだったり、きれいにオチがつくこともあれば、あいまいな結末のまま余韻を残す話もあり。

 現代、ファンタジー、SF、ホラーなんでもござれ。ニッチなテーマも盛りだくさん。

 ポップな絵で本当に多種多様な物語が描かれる短編集です。

 

奇妙奇天烈、不思議で独特な短編作品集

 全3冊の短編集で、【赤】が1巻、【緑】が2巻、【青】が3巻に該当します。

 1話1話が独立した短編になっているので、赤、緑、青の順番で読まなくても楽しめますが、過去の話の登場人物が別の作品にも登場していることもあり、前の話を読んでいると気づくことができるちょっとしたギャグなどもあるので、赤、緑、青の順番で読むことをお勧めします。

 1話が8ページという超短編である上に、ファンタジー要素を含んだ話も多いので、世界観や舞台装置の説明が曖昧なまま話が進むことがほとんどです。ファジーな部分が多分にある作品なので「考えるな感じろ」、「何となくニュアンスで」が嫌な人にはオススメできません。

 8ページごとに何が起こるかわからないびっくり箱として楽しむことができます。

 どこか不思議な雰囲気の話、あからさまに奇天烈な話などが8ページごとに次から次に出てくるので、そのとき読んでいる話が合わなかったとしても、すぐに次の話が始まります

 様々な雑学知識やニッチな題材を主題、もしくはアクセントとして使っている話も多いので、ネットで調べ物ができる環境で読むのも楽しみ方の1つかも知れません。もちろん漫画だけでも楽しめます。※ただし「エド・ゲイン」を検索することはオススメしません。シャレにならないグロテスクな画像が表示される恐れがあります。

 逆にそれらのニッチな題材に苦手意識を持っている人は、注意が必要です。はっきりした描写があるのは、人体の欠損、食人、飲尿などでしょうか。

 絵がポップで可愛らしい感じなので、残酷描写、グロテスク描写についてはだいぶ緩和されています。

 

 

こんな人にオススメです。

  • 不思議な雰囲気、奇天烈な発想、独特な展開を楽しみたい人
  • 心理学やサブカルチャーをはじめとした雑学全般が好きな人

 

こんな人にはオススメできません。

  • 作中の世界観についてはっきりとした説明がないとすっきりしない人
  • 上記の通り、ニッチなテーマも多いのでそれらが苦手な人