コミックコーナーのモニュメント

コミックコーナーのモニュメントは、漫画を読むことが好きな石文が、読んだ漫画の感想を書いたり、紹介をしたりするブログです。

本人の悲壮感ゼロの記憶喪失百合コメディー:明るい記憶喪失 レビュー

 

タイトル:明るい記憶喪失

作者:奥たまむし

年代:2017年以降

巻数:既刊3

 

作品概要

記憶喪失により、3年前からの記憶がなくなってしまったアリサ。

アリサの恋人であるマリさんは、彼女の記憶喪失に戸惑いますが、記憶を失った本人は悲壮感ゼロで、ことごとくマリさんの予想を覆して行きます。

底抜けに明るいアリサと、しっかり者に見えてネガティブなところもあるマリさんの同性カップルが繰り広げる記憶喪失コメディー。

 

こんな記憶喪失は初めて見た

記憶喪失を題材にした物語の形として真っ先に思いつくのは、記憶喪失によって恋人などの親しい人間とのつながりが途切れてしまう悲劇でしょうか。

自分が誰かも覚えていない重度の記憶喪失の場合や、特定の記憶だけ失ってしまうパターンもありますが、確かなものだと思っていた絆が、ある日、一方的に断ち切られてしまう悲劇は、その理不尽さも相まって物語を盛り上げます。

 しかし、この漫画の場合は、そんな展開は始まって1ページ目で否定されます。

 「(女の恋人なんて信じられないだろうし…一体どう説明すれば――)」と困惑しながら自分のことを話そうとするマリさんや、「私たち恋人……なの」と思い詰めた告白をするマリさんに対して、アリサは想定外のリアクションを返します。※この場面は1巻のお試し版でも読めるので、皆様ぜひご自分の目でご確認ください。

 

 ※スマホだと画面の中央の辺り、パソコンだとページの右側の方にある「無料サンプルを送信」でお試し版が読めます。パソコンの場合「なか見!検索」の矢印が付いている表紙をクリックしても読めるようです。設定などによっても変わってくると思われますので、この注釈はあくまで参考程度とお考え下さい。


 この漫画は、記憶喪失による破局の危機を
1ページ目で否定し、2ページ目で完全に乗り越えるような底抜けに明るい主人公が、むしろ本人よりもよっぽど困惑している恋人を振り回しながら、「恋人との初めてのアレコレ(2週目)」を楽しむ様子を面白おかしく描いた記憶喪失百合コメディーです。

元々非常識なところが多分にあっただろうことを窺わせるアリサのボケが、記憶喪失によって加速し、マリさんの突っ込みが追いつかない感じがたまらなく面白いです。

キスの仕方すら忘れてしまったアリサと、元々受け身だったマリさんのスキンシップのもどかしさも面白いポイントです。

 ただ、記憶喪失ならではのユニークなネタが多いのですが、基本的に同性カップル2人がずっといちゃついている漫画なので、そういう要素に興味が無い方には単調に感じるかもしれません。のろけ成分も多めです。

 

こんな人にオススメです。

l  本人の悲壮感がゼロ、破局の危機を即回避という全く新しい記憶喪失シチュエーションコメディーが読みたい人。

l  女性同士のいちゃいちゃラブコメが読みたい人。

 

こんな人にはオススメできません。

l  女性同士のラブコメに興味が持てない人、同性愛の描写が苦手な人。

l  天然キャラ、非常識人が嫌いな人。※フォローはありますが、主人公のアリサはかなりの天然&非常識人です。