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異類婚姻譚というより異類新婚譚 : 狐のお嫁ちゃん レビュー

 

電子書籍版と書籍版で、表紙および一部カラーイラストなどが異なります。上の画像は電子書籍版です。 

 

タイトル:狐のお嫁ちゃん

 著者名:Batta

  年代:2015年~2021年

  巻数:全7巻(紙書籍は4巻まで。詳しくは下記をご覧ください)

 

あらすじ・概要

 地方の文化資料館で働く「旦那さん」は化け狐の「お嫁ちゃん」と出会い、恋に落ち、結婚をしました。

 知的好奇心は強いけれど、草食系で初心、それでもいざという時は男前な旦那さん。

 賢く、順応力があり、人化の術により完全な人間に化けられるけれど、所々野生で、耳と尻尾は出していた方が楽なお嫁ちゃん。

 そんな2人のまったり異類婚姻譚

 

長寿の狐と文系学芸員の結婚生活物語

 推定年齢330歳(元禄生まれ)の狐のお嫁ちゃんと、学芸員をしている旦那さんの新婚生活を描いたまったり日常ものです。

 お嫁ちゃんは完全な人間の姿に化けることもできますが、耳と尻尾を普段は出しています。また完全な狐の姿にもなるので、モフモフ多めです。

 正体が狐であることも特に隠しておらず、地元の人には自然に受け入れられています。

 1巻の時点では人化の術とその応用ぐらいしか化け狐の能力は登場しておらず、他の妖怪とバトルを繰り広げるなどの展開もありません。

 あくまで、人間と結婚した化け狐とその旦那さんの結婚生活物語です。

 お嫁ちゃんの野生の狐の部分と、長寿の化け狐の部分、そして乙女の部分の割合が絶妙です。

 日常生活の中で所々にみられるお嫁ちゃんの狐ポイント、昔を知りつつも文明の利器になじみつつあるお嫁ちゃん、あざとくかわいく旦那さんに迫るお嫁ちゃんがそれぞれ楽しめます。

 普段は控えめな突っ込み役の旦那さんも所々でいい味を出していて、周囲の人も灰汁が強すぎない程度に癖が強い人が多いので、そこもまた面白いです。

 7巻で物語は一区切りつきますが、その後も別タイトルの続編へと続きます。※続編のタイトルがある意味でネタバレなのでご注意ください。

 

注意 紙書籍版について

 以前から電子書籍版が紙の書籍よりも先行する少し変わった形式で発売していましたが、紙書籍版を出版していた角川書店が諸般の事情により撤退。5巻以降は出版されません。

 紙書籍版の5巻以降は製作費をクラウドファンディングで集め、その返礼品として届けられる形になる様です。

 既に5巻のクラウドファンディングは終了。このプロジェクトで制作された紙書籍版の5巻は一般流通しない様なので、新規読者の方には電子書籍での購入をお勧めさせていただきます。※クラウドファンディングで新しい巻が出るたびに以前の分も手に入れられるコースはあるようです。※2022年2月現在の情報です。

 

こんな人にオススメです。

  • 現代を舞台にした異類婚姻譚を読みたい人。
  • 旦那さんと狐のお嫁ちゃんがイチャイチャするところが見たい人。

 

こんな人にはオススメできません。

  • 恋をしてから成就するまでの恋愛物語が読みたい人。※すでに結婚しています。
  • 旦那さんに嫉妬しすぎてしまう人。